ここ 1〜2 年で、「AI エージェント」という言葉をかなり聞くようになった。
そこで、自分も趣味がてら、MCP を使って AI エージェント的なものをいくつか試してみた。
その中で、
- AI が実際にやっていたこと
- 既存ツールとの役割分担
- 「AI エージェント」の実態
について、色々見えてきたものがあったので、メモとして整理してみる。
特に印象的だったのは、
「AI が全部やるわけではない」
ということだった。
きっかけは、自宅 PC の HDD 整理だった
きっかけはかなり単純だった。
自宅 PC の HDD 環境がかなり限界に近づいていた。
長年使い続けていたこともあり、
- 保存場所が統一されていない
- どこに何があるか分からない
- パーティション構成が場当たり的
- 一部ファイルが重複
- バックアップ運用が存在しない
といった状態になっていた。
特に厳しかったのは、「構造」が存在しなくなっていたことだった。
例えば、
- 同じ種類のデータが複数箇所に散乱している
- バックアップ対象と非対象が曖昧
- 役割の異なるストレージが混在している
など、「ファイルが増えた」というより、「運用設計が崩壊していた」に近かった。
そのため、単純なフォルダ整理ではなく、
- ストレージ全体の役割分離
- バックアップ方針
- 同期ルール
- 更新フロー
- 長期保存方針
まで含めて、再設計する必要があった。
実際には、
- バックアップ用 HDD を追加購入
- 保存先の責務を分離
- 同期ルールを整理
- 定期実行をタスクスケジューラへ移行
など、かなり普通のインフラ設計に近いことをやっていた。
実際に AI がやっていたこと
その中で、MCP と AI を使ってみたのだが、かなり印象的だったことがある。
「AI が全部やったわけではない」
ということだった。
AI が担当したのは、
- 分類ルールの整理
- フォルダ構造の提案
- 命名規則の整理
- 同期方針の設計
- 保存責務の整理
など、「どう整理するべきか」の部分だった。
一方で、実際の実行は、
- Windows タスクスケジューラ
- 既存同期ソフト(FreeFileSync)
- 自らの設計アイデア
で完結していた。
更新部分も、最終的にはタスクスケジューラによる定期実行に落ち着いた。
つまり実態としては、
だった。
これはかなり印象的だった。
AI エージェントの実態
AI エージェントというと、
「AI が全部自律的に動く」
イメージを持ちやすい。
しかし、実際に作ってみると、
- 実行は既存ツール
- 自動化は OS
- 管理は既存ソフト
であることがかなり多い。
AI がやっていたのは、むしろ、
- 何を分類するか
- どこまで自動化するか
- どういうルールで整理するか
- どの処理を優先するか
といった、「判断」に近い部分だった。
その後も同じだった
ファイル整理の後も、いくつか AI エージェント的な仕組みを試している。
しかし、そこで繰り返し感じたのも同じだった。
AI が直接すべてを実行するというより、
AI は判断を担当し、実際の実行は既存ツールが行う
構造になることが非常に多かった。
実際の構成も、
のような、「組み合わせ」に近い。
ここで重要になるのは、
- どのツールを使うか
- どこまで AI に任せるか
- どのルールで判断するか
といった設計側だった。
0 から全部作る必要はあるのか?
最近は、私の会社を始めとしたさまざまな会社が AI エージェントを作成している。
ただ、実際に触ってみると、かなり疑問が残った。
正直なところ、多くの開発者にとって、
「そこを全部自前で持つ意味は薄い」
ように感じた。
むしろ価値が出るのは、
- 何を判断させるか
- どこまで権限を渡すか
- どのワークフローに接続するか
- どういうルールで運用するか
といった「設計」に近い部分だった。
今の AI エージェントは「組み合わせ競争」に近い
最近の AI エージェントを見ていると、
をどう組み合わせるかの競争になっているように感じる。
少なくとも、自分が実際に触った範囲では、
「AI そのものを全部作る」
というより、
「AI に何を判断させ、既存ツールをどう接続するか」
の方が重要だった。
おわりに
AI エージェントというと、
「AI が全部自律的に実行する世界」
を想像しやすい。
ただ、実際に自分で触ってみると、
AI が担当していたのは、
の部分が中心だった。
一方で、実際の実行は、
などが担当していた。
少なくとも現時点では、
AI エージェントの価値は
「AI が全部実行すること」ではなく、
「AI に何を判断させるか」
に近いように感じている。